突然ですが、今週末、引越しをします。
ただいまその準備でてんやわんやの真っ最中です。部屋中、ダンボール箱だらけ。前回のブログでご報告した“スクリーンを降ろす”というのも、実はこの引越しと大いに関係しています。簡単に言ってしまうと、新しく住むところではこれまでのように、シアターのための専用スペースが十分に確保できないのです。
その主な原因になっていたのは、大きくは2つ。まずはプロジェクターとスクリーンによる映写スペース。そしてそれよりも問題になっていたのは、アルテックのA7の存在なのでした。今の部屋なら“置くことだけ”ならかろうじて出来るものの、次のシアターにはどうしても置けない。置ける部屋が見つからない。それでもなんとかならないかと、実はここ数ヶ月はずっと部屋を探し続けていたのですが、ウチのイメージする条件内ではやはりどうしても見つからない。だったら無理矢理引っ越さなくてもいいじゃないかというハナシもあるかもしれませんが、しかしまぁ他にもいろいろと考えるところもあり、シアターのことだけを常に優先させるわけにもいかない。
ならば最終手段、いったんシアターのことは白紙にして部屋探しを考えてみようということになり、それでようやく新しい転居先が最終的に決定したのがつい先週のこと。これまでも数年おきに引越し、そのたびにシアターを再構築してきましたが、これほど部屋探しに苦労したのは初めてです。この夏の、そのあたりの長きに渡るヘトヘトぶりは哲編集長がよくご存知ですが、今回はほんと、疲れました(涙)。ですので、先のブログでの“今のシアターシステムで映画を見るのがしんどくなった”という発言の真意は、“シアターシステムのことばかりを考えることにちょっと疲れてしまった”というところにあるかもしれません。正直なところ、今のシステムを白紙に戻すのはとても残念。寂しさもあるのも当然。しかし、いつかまたスクリーンを吊って、プロジェクターによる映写システムが復活することもきっとあるでしょうし、A7の存在が生活の中心となることもあるかもしれません。増えたり減ったり、創ったり壊したり、今までのように、これからもそんなことの繰り返しでいいんじゃないかと思う。
というわけで、気分はもう新シアターです。次なるシアターは原点に戻って、久々の“六畳間シアター”です。HiVi流でいうところの“六畳未満のパラダイス”(懐かしいな!)、ちょうど六畳間です。しかも、今度は和室(笑)。和室でシアターを構築するのは初めてですが、この空間を使って、先日入手したばかりのALTEC 600Bによるステレオ再生システムに、60インチクラスのディスプレイを組み合わせる予定です。おそらくはこれを機に、映画の再生もいよいよ3D対応となるはず。ならばここはひとつ “飛び出す!管球立体映画館”を目指してみましょうか。
(つづく)
「HiVi」9月号でのこの特集。興味深く読まれた方も多いことでしょう。現代「シネマ」モード徹底討論。
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そのなかで、強く心に残ったのが勝見さんの次のコメントでした。「こんなに画質がいいのなら50インチでじゅうぶん、わざわざスクリーンで観なくてもいいと思う人がいても不思議ではないね」。これはパナソニックの50インチディスプレイ、TH-P50VT2でのインプレッションです。記事を読み進めると、どうやら澤里さんも同じように感じていらっしゃるようだ。ボク自身もHiVi視聴室ではここのところ、50インチクラスのディスプレイで試聴する機会が(たまたまですが)続いていて、実はそのたびに“このサイズでもイケるんだな”と感じていました。
そして時を同じくして、100インチサイズのスクリーンにプロジェクターを使って映写をするというこれまでのスタイルが、正直なところ“少々しんどくなってきた”とも感じ始めていました。プロジェクターもいい。A7もいい。サウンドスクリーンもいい。でも、精神的にも体力的にも、もうちょっとリラックスして、気楽に映画を観たいなぁという気持ちがいつの間にか強くなってしまった。ウチでは今、本当にこのシステムである必要性があるのだろうか!?この半年ほど、このブログも映画音楽やレコードの話題ばかりで、すっかりハイビジョン・エアチェックやブルーレイディスクの記事が登場していなかったというのは、実はこのあたりの心境の変化も大いに関係しています。
とは言っても、もちろんブルーレイディスクを観ることは以前と変わりなく日常的に続いていますし、日々のエアチェックも相変わらずで、ひたすらコツコツと録り溜めています。(今日の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」は期待以上の極上版でした!)でも、ここらでちょっと思いきって、映画観賞のスタイルをがらっと変えてみることにします。見様見真似で始めてからおよそ15年間ほど続けてきたスクリーンでの視聴スタイルはいったんお休み、シアターからスクリーンを降ろすことにしました。
(つづく)
オーダーしていたALTECの600Bが到着しました。
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相変わらず武骨で愛想のない(笑)、地味なエンクロージャーに収められています。エンクロージャーの622Bのサイズは57W x 43H x 33D cm。もちろんA7に較べれば随分コンパクトなはずなのですが、それでもスクリーン下に置いてみるとこれが意外と大きい。まだエージングを始めたばかりですが、フィックスド・エッジらしく、ハリがあってきびきびと、それでいて12インチサイズならではの、深く響きの良い音がしています。
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このスピーカーを購入したヴィンテージ・オーディオショップのご主人の話によると、この600B&622Bは彼の地、ロサンゼルスからそのまま日本に取り寄せたものとのこと。そのせいなのかどうなのかはわかりませんが、映画でも音楽でも、英語はぐっとサウンドステージの前に張り出してくるんですが、日本語だと奥に引っ込んで広がります。(これ、マジです。エージングを進めればまた印象は変わるのでしょうけど) 聞けば勝見洋一さんちに鎮座するオイロダインも、このショップからの出物とのこと。そんなエピソードを聞くと、なんだかとてもいい買い物をしたような気がするな(笑)。
というわけで このスピーカーの導入を皮切りに、シアター大改造計画がいよいよ始まります。
突然ですが、間もなくウチのアルテック・サウンドシステムに新しいスピーカーが加わることになりました。

“新しいスピーカー”とは言っても、もちろんこれもヴィンテージ。ALTECの600Bです。
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12インチ(30㎝)口径のフルレンジ・モデル。もともとは1948年に発表されたスピーカー・ユニットですが、ウチにやってくるのはおそらく1950年代のものだと思います。組み合わせるエンクロージャーは、アルテック純正の622B。これも当時のオリジナルですので、米松製です。というわけで、現在使っているALTECの管球式プリメインアンプ、1950年代末にリリースされた344Aと組み合わせれば ひとまず“同時代のシステム”の完成となりますが、さて映画やレコードでどんなサウンドを奏でてくれるのか。来週の15日、いよいよWOWOWに登場する「郵便配達は二度ベルを鳴らす」を早くこのシステムで観てみたい!
![]() | ALTEC(アルテック) [Top-Sounding Vintage Loudspeakers and Amplifiers] (別冊ステレオサウンド) (2006/02/27) この本の詳細を見る |
なんだか気づいてみればすっかり秋ですねぇ♪というわけで ウチではこのアルバムの出番です。
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京都出身のシンガーソングライター、茶木みやこの「撰歌」(1978)。このレコードは中古レコード屋さんの店先ではなかなか見つからなかったので、ネットショップにて購入。¥790なり。1977年から78年にかけて、毎日放送系列でオンエアされていた「横溝正史シリーズ」のエンディング・テーマになっていた♪「まぼろしの人」、「横溝正史シリーズII」のエンディング・テーマの♪「あざみの如く棘あれば」と挿入歌♪「あなたは何を」を収録。毎年、秋や春の季節の変わり目には必ず聴き返したくなるヘビロ盤です。
「I」「II」ともTV放映時のクレジット・バックのイメージが強かったせいか、とりわけ沈んでいく夕陽や、秋の雰囲気にはぴったり。ここのところの東京地方もすっかりキンモクセイの香りがそこかしこに立ちこめているんですが、そんな ちょっと郷愁を誘うシーンが似合うアルバムです。初めて聴いたレコード版、CD版に較べるとヴォーカルがあまりにも生々しくてびっくりしました。
![]() | 金田一耕助の冒険 特別版 (2000/01/07) オムニバス 茶木みやこ このアルバムの詳細を見る |
CD版ならこっちの方がお薦めです。このアルバムのレコード版は・・・貴重盤でなかなか出てきません。
ここのところの“大野雄二気分”で、週末に新宿のディスク・ユニオンに出掛けてみたところ・・・。
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タイミング良く、この「ルパン三世」のレコードセットに遭遇。コンディションは“A”、しかも¥2520とかなりお買い得。(通常なら相場は¥7000前後から、というところです)数分間、お店でウ~ンと悩んでいたのですが、結局買っちゃいました。ボックスの正式なタイトルは「ルパン三世アナログBOX 1968-1992」。1999年のリリースです。(1)山下毅雄エディション(2)大野雄二エディション(3)映画オリジナル・サウンド・トラック集(4)ベスト・テーマ・コレクション、計4枚からなるLP盤で構成されています。オマケとして、リミックス版が収録されたシングルを一枚同梱。
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♪「ルパン三世のテーマ」は、TVシリーズの初代版から「’78」「’79」「’80」「’92」までをフォロー。LP盤はそれぞれ、ホワイト・クリア・ブルー・レッドのカラーレコードになっていて、TV版・映画版で登場していた主なテーマソングや劇伴が収録されています。山下毅雄版はアニメの劇伴とは思えないほどのファンキーさが持ち味で、大野雄二版は80年代のフュージョンらしい都会的な雰囲気がいい。いずれのディスクも録音が良く、レコード版ならではの中域重視の傾向。1999年のリリースですから、DJネタとして使われることを強く意識していたのでしょう。ビッグ・バンド調の♪「ルパン三世のテーマ '80」などは爽快感がたっぷりでダンサブル。♪「愛のテーマ」のインストver.も“大野雄二マナー”がふんだんに味わえる一曲です。
![]() | ルパン三世クロニクル スペシャル LUPIN THE THIRD (2005/03/30) 大野雄二 河合奈保子 このアルバムの詳細を見る |
【速報】 Technics SL-1200シリーズ 生産終了 (2010.10.03)

このニュースはまったくの“寝耳に水”。SL-1200とは縁あって、この半年間でMark3→Mark5→Limitedと3台に渡って使い続けていますので、余計に驚いています。しかし実は、先日購入した 「GROOVE 」AUTUMN 2010年11月号の記事の中には、DJたちが駆るプレーヤーとしてSL-1200がいくつも登場しているのにも関わらず、なぜTechnicsの広告のページがひとつも入っていないのだろう? と不思議に思っていました。これで1972年にリリースが始まったこのシリーズも、現行モデルのMark6でその姿を消すことになります。ということはテクニクス=パナソニックは事実上、アナログ・オーディオから撤退ということですね。
![]() | Technics クォーツシンセサイザーD.D.プレーヤー SL-1200MK6-K パナソニック このプレーヤーの詳細を見る |
20年のブランクを経て、再びレコードを聴くようになってからおよそ半年。以降、時々“DJ”と呼ばれるひとたちともレコードについて話す機会もあるんですが、とにかく連中はレコードが好きで、プレーヤーを廻すのが好き。もちろん、中古レコードを探し求めるのも大好きで、なによりそのアクティブな姿勢が気持いい。日常の生活の中に“レコードを聴く”という時間がちゃんとあり、レコードとの距離も近い。付き合い方も自由だ。“アナログ”なんてもったいぶらずに、今でもちゃんと“レコード”と呼ぶところも好きだな。
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というわけで、「レコードの秋」です。春でもなく、夏でもなく、やっぱりレコードには秋。(同じ秋でも「ブルーレイの秋」とか「デジタルファイルの秋」だとどうにも収まりが悪い)ページをざくっと開いてみる。“敵はデジタルではなく、もうちょっと大きなものと闘っている”ときたか。こういったことを控えめに、しかしガツンと言えるのも羨ましい。レコードという文化を次代に継いでいくのは、もはやオーディオ・ファンではないのかもしれない。
![]() | GROOVE AUTUMN 2010 サウンド&レコーディング・マガジン 2010年11月号増刊 (2010/09/28) GROOVE編集部 この雑誌の詳細を見る |
このレコードは「人間の証明」(1977)のオリジナル・サントラ盤。大野雄二の代表作です。
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前作となる、同じく角川映画の「犬神家の一族」(1976)やその後の「野性の証明」(1978)よりも、全編が“大野雄二マナー”に彩られた一枚。溢れんばかりの都会的なメロウ・サウンドで、映画のサントラの枠を超えた作品に仕上がっています。もちろんジョー山中の唄った大ヒット曲、B面5曲目の♪「人間の証明のテーマ」も収録。
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フリーソウル感覚が楽しめるA面1曲目、映画本編ではオープニング・タイトルに使われていた♪「我が心の故郷へ」、♪「人間の証明のテーマ」のインスト版となるB面7曲目の♪「ケン・シュフタンの死」、NHKの「小さな旅」を彷彿とさせるB面6曲目の♪「霧積温泉への道」や、リーダーアルバムの名作「コスモス」に入っていても不思議ではない♪「霧積の想い出」も心にしみる名曲です。
![]() | 人間の証明 オリジナル・サウンドトラック (1998/05/25) サントラ ジョー山中 このアルバムの詳細を見る |
そして大野雄二サウンド&角川映画といえば忘れてはならないのが、初期作品の冒頭に登場していた角川春樹事務所の“フェニックス・ロゴ”。いま現在は完全に封印され、本来ならば“絶対に門外不出”のはずなのですが、先月から日本映画専門チャンネルHDで何度もオンエアされている「ねらわれた学園」は、なんとこの幻のフェニックス・ロゴから始まります。往年の角川映画ファンの方は是非チェックを!永久保存版です。(10/7 10/14 10/17のリピート放送が予定されています)
昨日の「スター・ウォーズ」に続いて、こちらは「ストリート・オブ・ファイヤー」(1984)のレコード。
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お馴染みのデザイン、国内版です。映画、そしてこのサントラについてはもういまさら言うことなどありません。
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そしてこちらは当時購入して手元に置いておいた米国盤のジャケット(のみ)。もう迷うことなく米国盤のデザインセンスが圧勝!ということで、このジャケットにレコードもライナーノーツも移し替えてこれからはウチのライブラリーに加えることにします。それにしても涙の名曲、♪「Tonight Is What It Means To Be Young」が♪「今夜は青春」だなんて、今ではちょっと考えられないような邦題がついているな(笑)。
![]() | ストリート・オブ・ファイヤー オリジナル・サウンドトラック (2002/05/02) サントラ このアルバムの詳細を見る |
お!かつての国内版ジャケットも今や幻というわけか。